2011/12/30

今年もありがとうございました

今日は今年最後のゆずりはの仕事納めの日でした。

しばらくブログが書けないままでご報告が出来ないままでした。
申し訳ありません。


12月は支援してくださる方々にクリスマスプレゼントやお歳暮の品を数多くゆずりはにいただき、お食事のご招待等もしていただきました。
また、YOUR BIG FAMIRYのまきこさん、花火の会の皆さんからはゆずりは利用者へのお年玉もいただきました。
皆様のあたたかいご支援に心からの感謝を申し上げます。
ありがとうございました。


今年は私にとって激動の1年でした。
4月にゆずりはを開所しフル稼働の日々でした。
「忙しい」「疲れた」が口癖のようになってしまったようにも思います。

私の暴走をいつも冷静に暖かく支えてくれたスタッフ
ゆずりはの応援をしてくださった支援者の皆様
そしてゆずりはを利用してくれた利用者の方々
皆さんには感謝の言葉しか出てこないです。


特にゆずりはを利用してくださった方々には
ゆずりはに伝えづらい・相談しづらいことを
勇気を持って話し、私たちを頼ってくれて
本当にありがとうございました。

私たちに出来る限りの支援を今後も尽くしていきます。
そして、皆さんが伝えてくれた全てのことを
私たちは今後の支援に必ず還元させていきます。

利用者の皆さんの声をこの耳で聞くことができること
皆さんの表情をこの目で見られること
共に笑い、共に泣き、共に怒り、共に満たされることが出来るのは
直接支援出来る者の醍醐味だと感じます。
だからこそ、共有した「この気持ち」を次の支援に繋げていかねばならないとも感じます。

私は支援者という立場を越えて
まずは
「出会えてよかった」と思ってもらえる人間になりたいです。
ゆずりはも「ここがあってよかった」という場所にしていきたいです。


今後も地に足をつけて、
思いのこもった・思いの伝わる支援を
ひとつひとつ大切にやっていきたいと思います。

また暑苦しい文章になってしまいすいません!

来年も皆様にとって健康で心豊かに過ごせる1年となりますよう
心よりお祈り申し上げます。

ゆずりは 高橋亜美





支援者のOさんのご自宅にお招きいただき食事会



ごちそうがならびます




















































お年玉もいただきました!

2011/12/06

キャンドルナイト

11/26ゆずりはマーケットでのキャンドルナイトの様子をアップさせていただきます。
(いつも遅くなって申し訳ありません)
虐待死した子どもたちへの鎮魂の祈りと
虐待のない社会への誓いを
参加者の皆さんとさせていただきました。

オレンジのキャンドルを一灯ずつ灯していきました。

祈ること
誓うこと
行動すること

私たちがそれぞれの立場で出来ること
子どもたちの命のために
大切にしていきたいです。

祈り





















オレンジの灯りを皆でともしました












2011/11/28

いつも心がけていること

 福祉の仕事は対人援助の仕事
困っている方、支援を必要としている方に
適切な支援を提供することが私たちの仕事。

どこまでも果てしなく
相談・援助をする立場であることを忘れずにいたい。

ともすると、私たちの仕事は
すぐに上から目線、何かをしてあげる、助けてあげるの構造になってしまいがちです。
感謝されて当然的な考えに無意識になっていることもある。

「感謝」はしてもらうものでなく
自然に生まれる気持ち。
感謝されたい為にこの仕事をやっているのかな?
誰かの為にと声高に言う前に
自分がこの仕事を欲して必要とし選択していることを忘れずにいたい。

私はゆずりはを利用してくださる方に本当に支えられています
彼ら彼女らの生き様、言葉、行動から教えてもらうことたくさんたくさんあります

一定で一律の価値・評価基準に惑わされず、人格を決めつけず
私たち自身が、多彩で繊細な感性を持って
「あなたはこんなに素敵な人ですよ」ということを
自信を持って伝えていきたい。




デッサン画は福家綾さんの作品(宮本先生からの贈り物)




真ん中の美女はあすなろの新スタッフの金さん
あすなろの退所者とおちびさん






2011/11/27

ゆずりはマーケット開催しました!

昨日、無事ゆずりはマーケットを開催することが出来ました。
ゆずりはが開所してからの念願だった初めてのオープンディ。
たくさんのお客様に来ていただき、ゆずりはの活動を知っていただく機会となりました。
小さな子から、ご年配の方まで幅広い世代の方に足を運んでいただき本当に嬉しかったです。また日頃からゆずりはを支援してくださっている方々もお忙しいなか足を運んでくださり本当にありがとうございました。


ゆずりはマーケットの売り上げ金は50093円にもなりました。
このお金は全てゆずりはでの就学基金として活用させていただきます。
(ゆずりは高卒認定学習会参加者の受験料、進学にかかる資金等)
お買い上げくださった皆様本当にありがとうございました。


開催するにあたってたくさんの方にお手伝い・ご支援をしていただきました。
たくさんの絵本を寄付してくださった阿部さん、平井さん、田頭さん、松澤さん、真希さん
手作りのかわいい布おもちゃを作ってくださった「また明日」のメンバーの皆さん、
手作りの素敵なアクセサリーをたくさん作ってくださったYさん
絶品の手作りブルーベリージャムをご提供してくださったキッチン暁子の暁子さん
センス溢れる素敵な文具を販売してくださったやまさき薫さん
ゆずりはの座敷でマッサージとカードの安らぎの空間を作ってくださったすずなりのスザナさん
キャンドルナイトでギターの演奏をしてくださった加藤さん
手作りのお菓子を岐阜から持ってきてくれたジュリちゃん
ゆずりはマーケットワンディクロビカフェでおいしいごはんとおやつを提供してくれた料理人の松ちゃん
高価なオーガニックコットンの洋服や布をたくさんご寄付してくださった株式会社アバンティさん
マーケットのチラシ作り、看板づくりをしてくださった文子さん
出産後間もないのに、根付けや本のホコリ拭き、たくさんのお友達にお声がけをしてくれた真子ちゃん
遠く江戸川区からお手伝いに来てくれた学生のメイさんと小泉君
地味な裏方作業と場を盛りあげてくれたゆずりは利用者の皆
ゆずりはマーケットへたくさんのお客さんを紹介してくださったお隣のカエルハウスさん
…本当にたくさんの方のお力をお気持ちをお借りして開催することが出来ました

私の段取りが悪く、当日までドタバタで不手際な部分が多々ありましたこと本当に申し訳ありませんでした
ああすればよかった、こうすればよかったと反省することしきりですが、とにかく開催できたことへの感謝と安堵で胸がいっぱいです。

最後にキャンドルナイトでは数十分の短い時間でしたが、オレンジのキャンドルに順番に灯をともして、虐待死した子どもたちの鎮魂をお祈りすると共に、今生きている子どもたちの幸せを祈りました。私たちの社会が本気で子どもたちを守り・幸せにするという意志をもった社会になることを誓いました。

ゆずりはマーケットまた是非開催できたらと思っております。

次回開催まで、日々の支援を大切に努力してまいます。
みなさま本当にありがとうございました。



ゆずりはマーケット古本や絵本がたくさん!
座敷の奥はすずなりルーム
アバンティさんからご寄付いただいたオーガニックコットンの商品


暁子さんのジャムとじゅりさんの人参ケーキ・松ちゃんのマクロビおやつ



やまさきさんの素敵なコーナー


カフェも盛況!

2011/10/31

毎日新聞の記事

本日、毎日新聞の全国版にて、ゆずりはの取り組みが掲載されました
http://mainichi.jp/life/job/news/20111031ddm013100017000c.html

社会的養護の施設退所者の支援の必要性を具体的な事例と共に、わかりやすく記事にしていただきました。
ゆずりはの他に、退所者の就労支援をしてくださっている株式会社「フェアスタート」の取り組みや、児童養護施設「西台子ども館」の住まい提供の取り組み等も併せて紹介されています。

「社会的養護の退所者支援の充実」や「児童虐待の防止」は、私たちの小さな取り組み・小さな声を、社会に発信することが、社会的養護の現場が抱えている問題は「社会の問題と」して共有してもらうことに繋がっていくのだと思います
社会からの認知や理解が得られなければ、社会的養護の支援の抜本的解決にはつながりません

社会に発信し、まずは知ってもらうことからのスタートです

日々の支援と社会への発信どちらも大切にしながら、前進していきたい

2011/10/27

全国自立援助ホーム協議会北海道大会に参加しました

10月26日、27日函館の地で開催された全国自立援助ホーム協議会に参加させていただきました。
全国大会は今年で18回目、全国で自立援助ホームは今や77箇所となり、今回の大会への参加者数は200名近くにも及び盛大な会となりました。

児童精神科医の田中康雄先生の基調講演、北海道大学の松本伊智朗先生からのご提言等専門家の先生方からのお話、厚労省からの行政説明もしていただき、貴重な学びを得ると共に、私が何よりも心を打たれたのは、各ホームでの事例発表でした。
一日目の分科会、二日目のシンポジウム、ぞれぞれで各ホームが携わってきた大変なケースを通し、私たちの支援のあり方、そもそも自立援助ホームが担う役割と責任は何かを改めて考える時間をいただきました。


私はAホームでの性虐待の被害を幼い頃から受け続けてきた事例を聞きながら、この事例を社会で生きる全ての大人たちに聞いてほしいという思いに駆られました。
彼女が受けて来た被害の重さ、奪われた子ども時代、虐待によって引き起こされる様々な症状、それに必死に関わる自立援助ホーム職員の姿、…虐待が引き起こす深刻な症状と共に、彼女を巡って、彼女が思春期と呼ばれる年齢になるまで、教育も福祉も医療も全く携わることができなかったというこの事実を、社会皆で共有しなければと感じました。


自立援助ホーム職員は、傷ついた子どもたちを支援する行程のなかで、いかに自分たちが無力であるかということに苛まれながら、闘いながら日々必死に支援をしています。
子どもたちと生活を共にする私たちの支援のありようが問われることはもちろんのことですが、この「社会の無関心」にどう向き合っていくかも自立援助ホーム職員の役割としてとても大事なことではないかと思いました。


本当に子どもを守るためには、理想や理念、心がけだけでは変わらない
立派な法律だけでは変わらない
理念や法律を遵守するための教育の見直し、制度の改正、予算の増額全てが必要です
私たちの社会は子どもたちの健全な養育の為に、十分なお金を費やしてはいません
児童虐待にある根本的な問題についてもまだまだ理解はされていません
私たちの社会は「自分の子ども」という視点においては十分すぎるほどの関心や注意力を持って関わっているかもしれませんが、「社会の子ども」という視点においてはまだまだ無関心の域を出てはいないと感じてなりません
私自身も「“社会の子ども”に無関心な社会」を形成している社会の一員です
社会的養護に携わる者として、一児の母親として、ひとりの人間として、自分に出来ること、すべきことをやります。



自立援助ホーム湘南つばさの家の前川さんのお話
施設を退所した子どもたちは失敗することが許されない
生きづらさを抱えさせられた子どもたちが、社会に出て、失敗が出来ない環境に生き続けなければならない

失敗を保障してくれる家庭という寄る辺がない彼らに
失敗を保障してあげられるのは社会しかない
失敗の保障は決して社会の損失にはならないです
むしろ、その保障が社会の資源として、成長として還元されるものになると私は心から思います(もっと安心できる、のびやかで懐の深い社会の土壌があれば、児童虐待問題も、少子化の問題も緩和されるのではないかと思えてなりません)
失敗を保障できる社会になってほしいと強く願います



「生きていてよかった」と退所者が、ホームを退所してから10年以上たった後伝えてくれた言葉。その言葉を宝物のように、大切に大切に心に持っている前川さん

終わりのない、ゴールのみえない日々の支援のなかで、きっとどこかで
「あきらめないでよかった」と思える瞬間が来ることを伝えてもらったような気がします


日々奮闘している全国の自立援助ホームのスタッフの方々が健康でホームを継続していけることを心より願っています

2011/10/16

生きるための学び支援

自立援助ホームの多くの子どもたちは中卒•高校中退という学歴で入所し、その学歴のまま退所をします
自立援助ホームでは「自立」の為に働くことを利用条件とし、支援の基軸は“就学支援”ではく“就労支援”なので、低学歴であることはあたりまえなのかもしれません。
しかし、虐待によるトラウマ・心の傷を持ち、支えてくれる親や家族はおらず、そのうえ中卒•高校中退という何重にも重なった目に見えないハンディを背負わされ、社会に出た若者たちが安定した就労につけるのでしょうか?
私たち支援者が提供すべき重要な支援のひとつとして、「就学支援」にもっともっと力を入れることが必要なのではないかと日々感じています

「生きるためにはまず働くことだ」と言う方もいます。
「生きるためにまず働くこと」、「働くことを支援すること」が、
本当に支援になっているのか、彼らの人生に役にたっているのか…私には自信がありません。

私は学びの支援は、生きるための支援だと考えます
この時代に、この国で、少しでも幸せに安心して安定した生活を送るためにハンディを抱えさせられた子どもたちにこそ、学び支援は不可欠だと考えます

支援者や施設は、もっともっと学歴や、資格取得にこだわるべきだと思います

根こそぎで教育の機会を奪われてきた子どもたちへの学びの支援は正直本当に難しいです
子どもたちが学ぶ意欲を持たないのではなく、学ぶ意欲さえもまた奪われてきたということを忘れず支援していかねばと感じます

子どもたちの5年後、10年後、もっとその先を見据えたとき
「とりあえず働く」という支援にとどまらない支援を私はしたい
















今日、日が沈んだ後の小金井の空
遠くに富士山が見えます  どの子も安心して明日が迎えられたらいいなぁ

2011/10/14

ゆずりはマーケット開催のお知らせ

秋の爽やかな日和が続きますね
歩いいるだけで、ぐんぐんとどこまでも行けそうな気持ちになります
時々、金木犀の香りが風にのって届いてくると、もうそれだけで何だか胸いっぱいになります


今回はお知らせをさせていただきます!
11/26(土) アフターケア相談所ゆずりはにて「ゆずりはマーケット」を開催いたします


マクロビオティックのonedayカフェ
絵本・子ども服のリサイクルマーケット
ゆずりは手作り商品の販売
虐待で亡くなった子どもたちを悼むキャンドルナイトetc


上記の内容を中心に開催させていただきます
ゆずりはマーケットでの売り上げは全て、ゆずりは利用者の就学基金として活用させていただきます

初めての試みであるので、どんな展開になるのか、まだ未知数ですが
小さな相談所から地域の方との繋がり、お母さん・子どもたちとの繋がり、社会的養護の認知にも繋がるよう、等身大で出来る事を発信したいと思います

マーケット開催につきまして皆様にお願いがあります
当日のリサイクルマーケットの商品として販売する絵本を寄贈していただきたく存じます
お家で眠っている絵本、処分しようと思っていた絵本等ありましたら是非ご協力をお願いいたします
☆送料は各自でご負担をお願いしたく存じます
☆汚れのひどいもの、リサイクル品としては厳しいコンディションのものはご遠慮ください
☆送付先 〒184−0012
小金井市中町3−10−10−102
アフターケア相談所ゆずりは  高橋宛
☆お問い合わせ 090−9640−0177(高橋携帯)


マーケットの詳細につきましては、また後日お知らせしていきたいと思います



「今日のゆずりは」

















りんごが赤く色づきました
しわしわ加減もかわいいです





















ゆずりはの清掃アルバイトをしてくれている
K君掃除の達人です

2011/10/10

つぶやき

見えない壁に隔てられ
そこで自分たちが守られたなかにいると思っているのでしょうか
本気で相談者が訴える言葉や苦しみや悲しみや怒りについて考えようとしているのでしょうか
全てを理解し受け止めてほしいとはいいません
あなたが発する一言一句に心を込めて伝えてください
必要な時には必要なだけ言葉と心を尽くして説明し、時には謝罪することも必要な時があるかもしれません


「出来ない」「わからない」「知らない」と言い放てる権限なんて私たちにはありません


せっかく人間同士なのにと思います
人間同士のやりとりなんだから、しかも支援を必要としている方を応援するという役割なんだから、杓子定規な考えに収まらず、自分の経験や知識だけで決めつけたりしないで、「安心感」を持ってもらえる支援が必要なのではないでしょうか


「安心感」を持ってもらうこと=何でも受け入れるということではもちろんありません


相談者からの信頼を得る為には、まず信頼をして支援していくほかないと思います




私たちが勝手に壁をつくっていないだろうか
いつも考えます
















今日のゆずりはの花 アメジストセージ










                                                                    













2011/09/28

お誕生日会

昨日、ゆずりはで利用者Aさんのお誕生日会を開きました。
Aさんが16歳の頃あすなろ荘に来てからのお付き合いで、かれこれ8年…
24歳のお誕生日をお祝いしました。

Aさんのパートナー、他利用者の方含め総勢9人でのお祝いの会。
キャンドルを囲んでそれぞれメッセージを伝えあいました。

出会った子どもたちの存在は、私がこの仕事を続けていく力の源です。

彼(彼女)らが生きる姿を通して、社会的養護に必要とされる支援が何かを学ぶと共に、人が本来持つ生きる力や、成長する力をいつも教えられています。

誕生日を共に迎えて、
『生まれてきてくれたことをありがとう
生きてきてくれたことをありがとう
出会えたことをありがとう』
と心からの思いを伝えられることに感謝します。




                      












皆もお料理手伝ってくれました















照れながら、一言ずつメッセージ



お誕生日おめでとう!!!

2011/09/26

折り合いをつける

秋が日に日に深まっていきます。
触れる空気があっという間に変わりました。
空もどんどん高くなっていきますね…
秋は私の一番大好きな季節です。

私が日々の支援でいつも忘れずにいたいと思うことのひとつに
「相反する気持ちは共存する」ということがあります

相手との関係において
想いが強ければ強いほど
関係が深ければ深いほど
身近であればあるほど
人は混乱したり、悩んだりするように思います。


日々の支援のなかで、親や家族への気持ちを整理できず苦しんでいる方に
「両方の気持ちがあって大丈夫だよ」と伝えることを大切にしています

憎む気持ち、怒る気持ち、怖れる気持ちでいっぱいでありながらも
一方で強く求める気持ち、焦がれる気持ち、期待したい気持ち…

否定したいのに、一番に認めてほしいと願うこと…


それらが共に心にあることは矛盾することでしょうか?

私は全くそう思いません。

親や家族への思いは白黒はっきりつけることはとても難しいと思います
好きか嫌いか、認めるか認めないか、許すか許さないか
決着をつけてもつけても、つけられない。決着がつかないのが親子の関係だと思います
それよりも、どう折り合いをつけていくかが重要なのではと思います

家族への思いに折り合いをつけることで、悩み苦しんでいる方の心が少しでも楽になったらと、なってほしいと願ってやみません
もちろん“折り合いをつける”ことがどんなに難しいことかも、私たち支援者は忘れてならないと思います



相反する気持ち、様々な思いを抱えながら、折り合いをつけていく。


明確な答えも道しるべも提示できませんが
それでも、今日という日を生きて行く力に、つながりますように。

2011/09/20

命を肯定する 2

大きな台風が過ぎていきました
つい数時間前までの嵐のような天気が信じられないくらいの穏やかな夜です
秋の虫たちの声も聞こえてきます


先日、書かせていただいたブログ「命を肯定する」に色んな方からご感想をいただきました。私の拙い文章から、私がお伝えしたかった以上の思いを汲み取っていただき、また、何度も反芻したくなる心に迫る言葉を返していただきました
このブログを皆さんが大切に読んでくださっていることが伝わり、本当に嬉しく感謝しています


いただいたご感想のなかから、是非皆さんと共有させていただきたいメッセージを小矢真弓さんからいただきました。真弓さんとは、私があすなろ荘の活動をお話させていただいた学習会で出会いをきっかけにご支援・ご助言等いただいています。
今回、真弓さんの言葉を転載させていただくことをご快諾していただきました。
真弓さんもまた大変な子ども時代を生き抜いてこられ、ご自身の力で「生きる意味」を見いだしてきた方です。彼女の放つ言葉にある重み・説得力・強さと優しさに、私はいつも力や勇気をもらっています。
一部の転載となりますがご了承ください


…………………………………………以下転載………………………………………………


親にとっては、子どもが生まれてきてくれた意味を。
子にとっては、自身が生まれてきた意味を。
それぞれが見出しながら、信頼を作り、絆を繋いでいくのだということ。

命の意味は、動物でも人間でも、ただ一点。
脈々と太古から進化しつつ続いてきた「命」そのものを繋ぐこと。

必ずしも親でなくていいのだと思うのです。
人間は社会的な生き物なので、本当に大きな意味で、皆で社会を、
老人から子どもまで支えあって、それぞれができることをしながら生きていけばいい。 

私は、お腹がすいている人を見るのが嫌いで、ご飯を食べさせたくてたまらなくなるので、
お年寄りが常に飴を持ち歩いていて人に配っている理由がわかるようになりました。

生きてるだけで、いいんです。
何かにならなくても、特別な存在じゃなくても。そう感じています。


…………………………………………………………………………………………………………
 
真弓さんは「信頼をつくり、絆を繋いでいくこと」が「命」に繋がるのだと伝えてくれました。とてもまっすぐで、力強い言葉です。


真弓さんはじめ、辛く厳しい子ども時代を生き抜いてきた子どもたちには皆、理屈でもキレイ事でもない「命」への強い信念と生きることへの真摯さを感じずにはいられません


それは「命を肯定する」という命題をいつも心のなかに持っているからではないだろうかと感じます
 
生きづらさを抱えさせられ生きている・生きてきた人は誰よりも生きることに一生懸命で必死なのだと思います。
一生懸命に生きることは、それは時にとても苦しいこと


「命を肯定する」簡単なことじゃない  一生をかけての作業かもしれない


でも、今日この夜。
皆が、あなたが、安心して眠りにつけることを 今ここから心より祈っています


今日という日を あなたがちゃんと生きたことを肯定して 安心して休んでください


2011/09/19

命を肯定する

9月も後半をむかえたのに、残暑厳しい毎日が続いていますね。
それでも、朝晩は初秋のすずやかな空気を感じます。

今日はゆずりはは閉館日でしたが、相談依頼を受け出張面会と、講演会に参加してきました。

参加した講演会のお話を少し書かせていただきます。
ゆずりはを支援してくださっているMさんのご紹介で、愛知県岡崎市にある吉村医院(映画監督川瀬直美さんの作品「玄牝」の舞台にもなっています)という自然出産でとても有名な病院で助産婦をされておられた岡野眞規代さんの講演会に参加させていただきました。

岡野さんは自然出産をとおしてみえる、現代社会についての在り方、日本人が古来もつ感性や美意識の素晴らしさ、命について語られ、2時間のお話のなかに笑いあり、涙ありの一言では語り尽くせないたくさんのエッセンスのつまったお話でした。

私はお話を聞いている間ほぼずっと泣いていました。
感動や喜びや気づきの涙ではなく、自分が岡野さんの話を消化しきれない涙といってもいいかもしれません。
あすなろやゆずりはで出会った皆に思いを馳せると涙が止まらず、どういう理由での涙なのか自分にも説明のつかない涙があとからあとからでてきました。


私が社会的養護の現場で出会った子どもたちの多くは
「自分なんか産まれてくるんじゃなかった」「自分なんか生きる価値なんかない」と思ってきた(思いこまされてきた)子どもたちです。
私たちの想像を絶するような家庭環境で生きなければならなかった子もいます。
生まれてすぐ乳児院に預けられた子もいます。
親の顔も名前も知らない子もいます。

その子たちに「あなたが生まれてきたことには意味がある」という類の言葉は
今の私には言えません。そう言いきるだけの、子どもたちを納得させられる考えや哲学を持ち得ていないからです。
また「子どもが親を選んで生まれてくる」という言葉も私には言えません。
私に言えるのは、「選んでもいないし、選ばれてもない、どうであれ、あなたの命が、すべての命が尊いものであることに間違いない」ということのみです。


岡野さんは吉村医院でのお産をとおして学んだという、「命の本質」についてもわかりやすく率直に語ってくれました。
「命は受けいられて輝く」
「命がふくよかになる」
「命をいいかたちで連鎖させる」
…お話してくださるどれもが心をゆさぶられるエピソードばかりでした。



私は家庭環境に恵まれなかったり、親から暴力を受けたり、存在をも否定されてきた子どもたちに寄り添い支援する立場の者として、
「生まれた瞬間がどうであったか」をこだわることが出来ません。
「どこでどんなふうに生まれて、お母さんはどんな思いであなたを生んだか」
とてもとても大事なことだけど、そこにこだわりきることが出来ません。
お母さんにおむつを交えてもらったり、おっぱいをもらったりそんな経験も皆無の子たちに
「お母さんに感謝する」ことも安易には伝えられません。


今の私に出来ることは、出会ってきた子どもたちに「あなたに出会えてよかった、生まれてきてくれてありがとう」ということを私自身が心から伝えることのみです。
あすなろ荘やゆずりはを通して出会えたことに心から感謝して、私たちが目の前にいる子たちの命を全身全霊で肯定したいと、肯定し続けたいと思います。


すべての子どもたちが「自分の命を肯定できる」そんな社会にしたい


岡野さんのお話であふれるほどのいろんな思いを感じさせてもらいました。
ありがとうございました。

2011/08/31

偶然の繋がり

8月も今日が最終日。
今年も過ぎてしまえばあっという間と感じる夏でした。

先日ゆずりはに来所してくださったAさんが、
以前B施設に短期間ではありますが利用していたことがAさんとお話するなかでわかりました。

B施設は私どもも日頃から大変お世話になっている施設で、施設長さんは私が心から尊敬する方でもあり、この偶然の繋がりにAさんと一緒に歓喜してしまいました。

あまりにも嬉しくて、Aさんの了解を得て、施設長さんに電話までしてしまいました。

はたからみれば、取り立てて大騒ぎするほどのことでもないことではあると思いますが、
私はこんな繋がりを心から嬉しく思うし、自分への大きな励みにもなります。

人に対しての支援というのは、成果が見えづらく分かりづらいものでもあります。
目に見えない結果をどう自分で受け止めていいのか、時に迷い、時に苦しみ、時に喜び、私たちケアワーカーはいつも模索しています。

そんななかでの、人との繋がりは、この仕事を継続していくうえでの、いえ、生きていくうえでの宝ものです。

利用者の方が“一人じゃない”といろんな場面で思えること、確認できること
そして私たち支援者も“一人じゃない”と信じていけること
生きていく力ですよね…

子どもたちが、生きることに苦しんでいる人たちが
「この人がいてよかった」と思える出会いが、この先たくさんたくさんあるように
私たちがその一人となれるように…



ゆずりはではいつも季節の花をいけてます。
                                   今日は白い小さいサイズのバラ、
                                   そして、鑑賞用のちいさなりんごたち。 

2011/08/28

ゆずりはサロン

昨日、ゆずりはサロンを開催いたしました。


ゆずりはが開所してから4ヶ月が経つのですが、日々の支援業務に押され、地域の方々との繋がる機会をなかなか作れないままでした。

そんななか、以前よりあすなろ荘を支援してくださっている神山真子さんが企画・主催してくださり、小金井に住む地域の方にゆずりはの活動を知っていただく「ゆずりはサロン」の開催に至りました。

初回は5名の方が集まってくださりました。
ゆずりはの取り組みはもとより、児童虐待問題について、社会的養護についての話もさせていただきました。今回は講義ではなくサロンなので、参加者の方々が思い思いに発言されることや交流を基軸にと思っていたのですが、私のトークが暴走してしまい参加者の皆さんには大変失礼をしてしまいました。
伝えたいことがあれもこれもとありすぎて、つい我を忘れて熱くなってしまいます。
毎度のことながら、申し訳ありませんでした。

それでも、色んなお立場、年齢の方々と、児童虐待問題等について思いを共有出来る機会となりました。
参加者の皆さまありがとうございました



また、ゆずりはサロンの開催がきっかけで取材していただいた記事が、昨日(8/27)の朝日新聞の朝刊に掲載されました。写真付きで大きく取り上げていただきました。
朝日新聞の多摩版となりますので、地域は限定されますが、もしよかったら図書館等でご観覧ください。


今後も2回、3回と続けて開催していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。




2011/08/01

全国自立援助ホーム女性スタッフ研修会

全国自立援助協議会ホーム女性スタッフ研修会が、7/26、27の二日間、大阪市社会福祉センターで開かれ、ゆずりはからも高橋と藤原が参加してきました。

今や自立援助ホームも全国に73ヶ所設置され、国では更に増設をしていく方向で取り組まれています。
「社会的養護の最後の砦」と呼ばれる自立援助ホームを、真に支えているのはホームをいつも守ってくれる母的存在の女性スタッフがいてこそなのです。ただ、ホーム長や男性スタッフが様々な研修に参加するのを傍目に女性スタッフはなかなか外部の研修等に参加出来る機会が持てません。今回の研修会ではそんな女性スタッフへのねぎらいも込めて、全国自立援助ホーム協議会が開催してくれました。

今年は最多参加人数で36名の女性スタッフが全国から集まりました。

年齢も経験年数も様々ななかで、スタッフ同士がすぐに打ち解けられるのは、自立援助ホームでの支援の困難を共にわかちあえるからこそだと思いました。

自立援助ホームが今後社会的養護の枠組みのなかで、どのように存在し、また自立援助ホームの意義を唱えていくためにも、ホーム間の意見交換と根底にある支援理念を共有していくことは必須であると感じました。

とにかく、私たちの仕事は、同じ苦難を分かち合えるる仲間がいてこそなのです。

全国の仲間たちの存在を胸に、また新しい気持ちで取りくんでいきたいと思います!

後日のブログで改めて記したいのですが、2日目の研修で大阪児童福祉事業協会のアフターケア事業部代表の藤川澄代さんのお話にも多くを学ばせていただきました。
兎角、暗く重くなりがちな社会的養護の話を、藤川さんがパワフルにダイナミックにそしてユーモアいっぱいに語ってくれました。
私たちも負けていられない!と気持ち新たにしました。

この二日間で出会えた仲間、わかちあえたこと、学べたこと…全てをゆずりはでの支援に還元していきたいと思います。



全国の仲間たち。

2011/07/23

ゆずりはパソコン教室

今日はゆずりはでのパソコン教室を開催しました
参加者は2名、11時〜13時までワードの基礎を一緒に学びました


この教室はマイクロソフト社と東京ボランティアセンターのご支援とご指導を受けての取り組みです。私たちスタッフがマイクロソフト社で指導プログラム研修を受け、子どもたちへの指導をしています。とはいえ、私たちの指導力と知識だけでは心持たないので、パソコンの専門スキルを持ったボランティアの方が毎週来てくださっています
専用のテキスト作成から、パソコンの提供まで全て無償でご支援をしていただいています。
この教室をきっかけに子どもたちがパソコンに興味を持ち、就労に生かしていく足がかりになればと思っております


ゆずりはでは、施設退所者の方を参加対象にしております。
現在第2回目まで開催しておりますが、途中参加も受付いたしますのでご興味のある方は是非ご連絡をください


ゆずりはパソコン教室
開催日時 毎週土曜日 11時〜13時
開催場所 アフターケア相談所ゆずりは
問合せ  042−315−6738



今更なのですが、ブログでの写真のアップの仕方をやっと覚えました
これからは写真入りで、皆さんにゆずりはでの活動をご報告出来ればと思います!

ゆずりはです


ゆずりはの中は…

相談所は来てくださった方がゆっくりくつろげる雰囲気を大切にしています…

見学等も随時受け付けておりますので、是非ご連絡をください





2011/07/20

必死さ

私たちケアワーカーが、子どもたちへ適切でよりよい支援をするために学ぶべき知識、身につけなければならない支援技術はたくさんある。知識と技術、経験がケアワークには欠かせません。
でも、私が支援者として一番にこだわりたいことは、子どもたちの声を聞くと、子どもたちの心に傾ける、寄り添う心があるかないかということです。
あすなろ荘の前ホーム長の江川さんがよく言っていたこと……
「子どもたちの為にどれだけ必死になれるか」「自らの支援にこだわりを持てるか」という言葉を何度も思い返す場面が多々あります。

「自分のために一生懸命になる大人の姿」に
子どもたちは、私たち大人が思う以上の「何か」を感じ取ってくれていることを、私は実際に子どもたちから教えてもらいました。

一生懸命にとか、必死にとか
暑苦しく恩着せがましくも聞こえるかもしれません。
でもやっぱり私自身、必死さが伝わらない支援者は信用できません。
必死さが伝わってこない支援者には憤りさえ感じます。
私たちの仕事は、子どもたちのこれからの人生や命を左右する大事な役割を担っているのに。
何のアイデアもない杓子定規の支援、通例を当てはめてしか考えられない人には「何のためにこの仕事をしているのか?」と問いたくなる時もあります。
ひとりひとりの子どもたちは、ひとりひとり違うのことを忘れてはならないです。
パターン化して、条件にあうかあわないかの支援は支援なんかじゃないと思います。
もっともっと子どもたちの声を聞いていかないとと思います。
「子どもたちの声」「子どもたちが伝えてくれること」は、どんな素晴らしいテキストよりも、講義よりも大切だと感じます。



自分たちの支援が適切かどうか、正しいかどうかは、プロセスのなかでどんどん検証していけばいいのだと思います。
とにかく、今出来ることを必死にやっていきます!

お詫びと訂正

久しぶりの投稿となります。
ご報告等なかなか出来ず本当に申し訳ありません。

はじめに皆様にお詫びをお伝えしなければなりません。
ゆずりはの住所ですが
4/23付のブログで間違いがありました。

誤 小金井市中町2丁目10−10−102
正 小金井市中町3丁目10−10−102

オープンしてからたくさんの方々に来所していただいておりますが
このブログの住所を見て来てくださった方には
大変なご迷惑をおかけすることとなってしまいました
本当に申し訳ありませんでした


開所してから3ヶ月がたち、多くの相談依頼を受け日々奔走しております
スタッフ2名での運営となっております旨
同行・訪問支援等で「ゆずり」はを不在にすることも頻繁です
ご来所の際は、前もってのご相談をいただけると大変助かります
緊急を要する相談もあるかと思いますがご理解とご協力をお願いいたします

ゆずりは電話&FAX 042−315−6738
携帯    090−9640−0177
mail                  acyuzuriha@gmail.com

2011/04/29

畠山美由紀さんの詩

先日いつも行っているお気に入りのカフェに行ったとき、SWITCHという雑誌を手に取りました。雑誌ではこの度の東北大震災についての特集が組まれていました。
色んなアーティストやミュージシャンが震災について厳粛に言葉を綴っており、私は黙々と表現されている言葉を追っていました。
ページをめくっていくと、ミュージシャンの畠山美由紀さんの誌が4ページにわたって載っていました。奥原しんこさんの素朴で懐かしさを覚える絵と共に綴られた詩に一気に引き込まれました。

「わが美しき故郷よ」と題された詩に、
気仙沼市出身の畠山さんが、ただひたすらに故郷を想い一言一句をしたためた詩に、
私は涙が溢れて溢れて止まりませんでした。
私なんかが泣いたりするのは、被災にあわれた方に本当に失礼だと思いながら、申し訳ない思いに苛まれながら、その詩を何度も何度も読み返しました。


その詩からは
もう二度とは戻らない「故郷」への言葉がありました。
優しく、強く、苦しく、悲しい、当事者の方にしかわからない、私たちの想像や寄り添い等、足下にも及ばない想いがありました。


私たちは、希望という言葉や、復興という言葉を簡単に口にしすぎてはいないだろうか
そんな思いに駆られながら、私がやるべきことは何かと今一度自分に問いました。




本当の言葉には魂が宿ります。
魂の宿った言葉は「普遍的」なものとなり人の心を響かせ、心を包みます。
美由紀さんの魂の宿った言葉は、どんな前向きなメッセージや声援よりも、
被災された方の心に残るのではないかと思いました。

2011/04/23

アフターケア相談所「ゆずりは」オープン

自立援助ホームあすなろ荘の一事業として、アフターケア相談所「ゆずりは」が4/18より武蔵小金井で開所いたしました。

ゆずりはを相談拠点とし、アフターケアに困っている施設へのフォロー、退所者への直接支援、支援を提供してくださる方々からの資源収集、虐待防止に繋がる地域交流…
施設退所者への支援を軸に、様々な垣根を越え社会的養護の発信の場にもしていきたいです。

私どもの活動は、支えてくださる支援者の方がいてこそ、より大きな力と声を持ちます。

応援してくださる皆さんのお力とお知恵をお借りして、尽力してまいります。

お近くまでお越しの際は是非お立ち寄りください
東京都小金井市中町3−10−10−102

お問い合わせはこちらまで
042−315−6738
090−9640−0177(高橋)

2011/03/23

伝える力

今日は府中市の倫理法人会のモーニングセミナーで講話をさせていただきました。
自立援助ホームで生きる子どもたちのこと、あすなろ荘の取り組み等、様々な場所でお話をする機会をいただいていてありがたいの一言に尽きるのですが、自分の伝えるべきことをきちんと伝えるということがまだまだ出来ておりません。

私は子どもたちの代弁者として、また社会的養護の現状をより多くの方に知ってもらう役割を担わせていただいている者として、もっともっと伝える力をつけなければと思う日々です。

いつも子どもたちへの支援をする際に。どんなに心のなかで立派なことを思っていても、頭のなかに素晴らしい考えがあっても、伝わらなければ意味がないと、子どもたちの心に届けられなければ何の役にもたたないと思っています。
私は言葉の持つ力、表現することの力は、人の心に寄り添い、語りかけるために欠かす事の出来ない大切な手段だと思っています。

伝える力をもっともっと磨いて、より多くの方に自立援助ホームで生きる子どもたちの存在を知っていただきたい、何が出来るかと一緒に考えていただきたいと思っています。

一期一会の大切な機会を無駄にしないよう。
後悔しないよう。
今、自分が持つもの全てを思い切り伝えていきたい。


追伸  今、情報過多ではないでしょうか?
なんでもかんでもが不安要素になっています
食べても大丈夫な地域のものまで処分。
安全とか、規定とか、政府やマスコミに振り回され過ぎない意志も必要ではないでしょうか

私はほうれん草ガンガン食べてます
これからも食べ続けます

2011/03/19

今すべきことを

本日付け毎日新聞の夕刊に「津波が奪った夢」と題した記事が掲載されていました
宮城県石巻市の大川小学校の被災状況、全児童108人のうち、24人しか生存者が確認されていないという内容でした

地震が起きたのは下校のバスが出る30分ほど前。児童を校庭に集め点呼をしていたとき津波が小学校を襲った。遺体でみつかった子どもたちの多くは上履きのままだったそうです。

地震が起き急いで外に逃げて、そして津波。
どんなに、どんなに怖かっただろう。

全ての被災者の方に心からお悔やみを思いながらも
子どもたちの被害のニュースにはより一層胸が締め付けられます。

私たちは直接の支援で現地に赴くことは難しいですが
子どもたちを支援するという仕事に携わる者として
生き残った子どもたちが、この大被害を乗り越え、生きていけるためにできることを考えていかねばと思います

いちばんの弱者をいちばんに思いやり、いちばんに優先して考えられることが復興のために不可欠なことだと思っています

児童養護施設では被災孤児となった子どもたちの受け入れの検討も始めています

従来培ってきた専門性を活かして、私たちだからこそやれることをやりたい。

そして何度でも忘れず胸に誓うことは、今目の前にいる子どもたちをきちんと大切にすること。

2011/03/15

東北大震災

3.11の大震災が起きてから4日が過ぎようとしています。
こんなに1日1日が長く感じる毎日はなかったように思う毎日です。

これから起こるかもしれない大きな余震、停電、原発のこと…考え不安になることはたくさんありますが、それよりなにより、被災地の状況・被災者の方の状況を思うと正直言葉がありません。
お悔やみの言葉、頑張ってという声援、どれもこれもが不謹慎に思えて、思考も止まってしまいます。

だけど、私がクヨクヨ考えても事態は全く好転しません
私が心を痛めて、被災者の方に思いを馳せても、被災者の方には何の希望にもつながりません

私が今出来ること、すべきことは、私の今をしっかり全うすることであり
被災者の方が何を必要とし、求めているかにきっちり耳を傾け
押しつけにならない支援を、必要とされたとき迅速に行なう力を蓄えておく、ネットワークを作っておく、資源を集めておくということくらいしかありません

健康で、安心安全な場所に身をおくことが出来ている私たちが頭と体を使って必死になるしかない

被災者の方々が一刻も早く、安全で、清潔な、あたたかな場所で、安心して過ごせるために出来ること必死に考え、行動します
そして、自分の今やるべきことも見落とすことなくやっていかねばと思います

こんな時だからこそ地に足をつけ、おおらかな気持ちで、強い気持ちで
「大丈夫!!!」と力いっぱいに断言したい。
私たちが希望と確信を持って。

2011/03/07

雪の日

ブログの更新滞っており、申し訳ありません!
2月は一度も更新出来ませんでした。
何とか週に一度は更新しないと、このブログも風化してしまいますね

あと、写真も入れたいのです!
きっと簡単な作業だと思うのですが、超アナログ人間なので
二の足を踏んでいます。
写真があるといいですよね…
ツイッターやフェイスブック等も上手く活用して
あすなろ荘の取り組み、ゆずりはの挑戦を多くの方に知っていただき
力や知恵をいただきたいと思いつつ、やはり二の足を踏んでいます
これらの媒体を使いこなす為の私自身の能力をもっと高めないといけませんね…


さて今日は久々の(?!)休日で、家でのんびり過ごしています
そして、窓の外は雪
音もなく深々と降り続ける様子をぼんやり見ているだけで
瞬く間に時間が過ぎていきます
毎日、忙しく、慌ただしく過ごしているので
こんなふうに過ごせる時こそ「咀嚼する大切な時間」だと思っています

私の今の仕事は、人と出会い学び繋がることかなと思ってます
そして、その繋がりは、強い信頼関係で結ばれた繋がりでないとなりません
「ありがとう」の気持ちを きちんと「ありがとう」と伝わるように、伝えられることが
何よりも大切にしたいと思います

雪はまだ降り続けています
もうしばらくこの贅沢な時間を満喫したいと思います

2011/01/30

小金井カフェぼちぼち

本日、小金井の萌え木ホールで開催されました「cafeぼちぼち」に飛び入り参加をさせていただきました。あすなろ荘でこの4月から始めるアフターケアの相談所「ゆずりは」の開設が小金井になったことがきっかけで、「トークアピールをさせていただきました。
「ゆずりは」では施設退所者への支援を軸にしながら、地域と連携し、児童虐待防止や子どもの権利を推進するための実質的な活動発信の場にも出来ればと思っています。まずは知ってもらい、理解していただき、一緒に出来る事を考え、実践する。
この“実践”に繋げるところ特に大事にしたいと思っています。

さて「cafeぼちぼち」盛りだくさんの内容でした。(ギター&ハーモニカライブ・口琴ライブあり、小金井のおいしいお店が出店、手作り工作広場などもあり)
小金井らしさの溢れるゆったりとした雰囲気で、音楽、アート、カフェを楽しみつつ、自立援助ホームからの発言もさせていただきました。
「社会の連なり」を感じることの出来る、自由な場であり時間でした。


社会のなかでどう在るのかが、芸術や福祉の根幹なのだとも思いました。


最後に飛び入りで参加されたラグループのライブがとてもよかった
最年少は6年生から、学生の方の4人のチーム編成。
しかも、同じマンションの住人同士。
隣りのお家から小学生の子がリコーダーで奏でる「カントリーロード」が聞こえてきたのをきっかけに…バンドを結成。
これこそ、素敵な、社会の連なり、人が繋がるということですね。

小金井の場所から、子どもたちの生きる希望につながるいろんなことに挑んでいきたいです。

2011/01/01

あけましておめでとうございます

新年あけましておめでとうございます
昨年は多くの方からのあすなろ荘へのご支援をありがとうございました
今年は、昨年以上に、私たちに出来ること、果たすべき責務にまっとうしていきたいと思います
支えてくださる支援者の方がいてこその自立援助ホームです
引き続きあたたかくお見守りください

昨日は私高橋の毎年恒例の(!)宿直勤務でした
退寮生が何人も訪ねて来てくれたり
電話やメールをくれたり
あすなろ荘の1年の締めくくりの時間を
充実した気持ちで過ごすことができました

ただ今年は在寮性が皆、恋人や友人と初詣でや、職場の方との宴会等出かけたりで、年越しのカウントダウンは私一人で迎えました
あすなろ荘のリビングで、氷結を片手にこたつに入り、ジャニーズを見ながら、寂しさ半分嬉しさ半分のあすなろ荘で未だかつて味わったことのないたった一人で迎えた年越しでした

その後は寮生が初詣から帰って来てくれ、ゆっくりのんびり新春の夜を過ごしました

今年もまた幸せな1年のスタートをきることが出来ました
また支援者の方からあすなろ荘お寮生にとお年玉もいただきました
お心遣いに心からの感謝です

あすなろ荘の皆ありがとう!!
退寮生の皆もありがとう!!


今年は年越し派遣村の設置はありませんでした
おととし、去年よりも、年越しに行き場のない方々減りある程度の支援の整備が整ってきたという理由で国レベルでの公的な安心して年越しするための寝床は提供されませんでした
果たしてそうだろうかと疑問に思います
現にあすなろ荘の退寮生でこの年越し帰る家がない子、安心して年越しが出来る場所がない子が今年も何人もいました
安心して相談出来る場があれば、必要な支援を受けられるシステムがあれば、潜伏している
どこにも行き場のない方たちはもっともっと保護されるであろうし、最低限の生活や暮らしを脅かされている方の存在の可視化は広がり、目に見えるものとなり社会は目を反らす事は出来なくなると思います
「貧困対策」を一時のブームとして終わらせないためにも、私たち支援者は、自分たちの現場でみえる現実を責任を持って発していかなければという思いです

話が広がってしまいましたが、安心して生活出来ること・年越しが出来ること、この人としてのあたりまえの営みがどれだけ大切な尊いことなのかを あすなろ荘の年越し勤務でいつも身を以て感じています この思いと新年の自分への誓いを忘れず大切に過ごします

皆さまにとっても、健康で素晴らしい1年となりますよう心からお祈り申し上げます