2010/12/27

一期一会

今私はアフターケア専任スタッフとしての業務を任されていますが
十分な支援をする時間が全く足りていません
あれもこれもしなければならないことが
たくさんたくさんあるのに、全てを消化しきれず
背中を押されるように、とにかく次へ、前へという日々です

もっと仕事の整理をつけなければなりませんね
自分の容量をわかったうえで臨まないと今にパンクします

そんな毎日のなかだからこそ
「一期一会」という気持ちを大切に忘れずと思っています
誰かと過ごすこの時間こそ、かけがえのない貴重な時間
二度とはないかもしれないから、気持ちをこめて感謝して
“この時間”を共有したいと思います
私が伝えなければならないことをどうやって相手の方にわかりやすく
心に届くように伝えるか 「伝えること」こそが今の私の大事な任務でもあります

どんなに伝えようとしても伝わらなければ意味がないです

私は何のために、誰のために、存在するのかこの仕事をするのかをいつも考えています

一期一会
大切な出会いと時間を
1秒たりとも無駄にしないように
自分に与えてもらった使命を全うしていきます

2010/12/25

2010年のクリスマス

今日はクリスマス
私はもちろん?!1日勤務でした!

今日の1日。
早朝5:30まだ真っ暗ななか家を出て、西荻窪で開催されている杉並区倫理法人会のセミナーに参加させていただきました。
今日はコンサルティング会社の代表取締役の方のお話でした。
講話のなかでとても印象に残ったのは
「人は幸せになる義務がある」という言葉
“幸せになる権利”というフレーズはよく耳にしますが、“幸せになる義務”という表現にふれるのはは初めてでとても新鮮であり、その言葉の持つ力強さや「要は自分がどうあるか」という意味合いを含む表現が心にストンと落ちるようでした。
義務というと、誰かに何かをしてもらうではく、自分が果たすべき責任があるということが幸せになるということに、より積極的なイメージが湧いてくるような気がします。
朝の時間に学ぶというのは本当にいいことづくめです。吸収力があるのか、学び度もアップし、清々しい気持ちで1日に臨めます(冬の早起きはかなりつらいですが)

その後、あすなろ荘を支援してくださっているWさんのご紹介で某自動車学校の社長さんとお会いし、あすなろ基金や4月から正式に開所予定の「アフターケア事業ゆずりは」についてのご相談をさせていただきました。
社会の資源を有効活用出来ない子ども(施設退所者の方)たちが、社会とコミットしていくためには、私たち施設の職員がつなぎ役としての役割を果たすことが絶対に必要とされていることを再々認識しました。
とにかく、困っている子どもたちに還元出来る具体的な支援と、その支援を利用出来るシステム作りを本当にやらねばという思いです。
一刻の猶予も許さない状況なのです。


そして、午後はやはりあすなろ荘を支援してくれている東久留米のオーガニックカフェYOUR BIG FAMILYへ。あすなろ荘の会報誌「独り立ち」を置かせていただき、久しぶりにランチもいただきました(本当においしい!体にやさしくありながら、しっかりと「食べる」を堪能出来ます!)

最後は退寮生のKさんと面会し、諸々の相談を受け、帰宅しました。

まるでクリスマスとは程遠いと云われてしまいそうな1日でしたが、
今日も学び、出会い、喜び、感謝し、思考し、体と心はフル回転で、私にとってはまぎれもなく大切な「聖なる1日」でした。

神さま、
私たちの生きる社会が今よりもっともっともっともっともっともっと
子どもを大切にする
子どもを本当に大切にする社会になるために
私は私のすべきことに挑んでいきます
2010年の聖なる夜に

2010/12/22

あすなろ荘クリスマス会

昨晩はあすなろ荘でクリスマス会が開催されました。
今年は特別に一昨年度までの退寮生も招待しての会となりました。

午後からあすなろ荘スタッフでクリスマス会の料理の準備をしました
約15人分の料理なのでキッチンはフル回転。
途中仕事を終えて帰宅したCさんとD君が料理を手伝ってくれました。
特にCさんの料理の腕前は素晴らしく、スタッフが料理指導をしてもらうほどの手際のよさと調理技術で周りから感嘆の声が上がりっぱなしでした。

料理を一緒に作りながら寮生と語らう時間は本当に貴重な時間です。
料理や食べ物の話を介して、家族のこと、小さかったときのこと、学校のこと、恋人のこと、これからのことをつらつらと話してくれます。この何気ない会話のやりとりが“揺るぎない支援の礎”となっていくのです。また、寮生たちの笑顔を見ていると本当にそれだけで心が高鳴るような気持ちになります。
彼らの日常のささやかな風景が、今ここあすなろ荘に在ることに感謝と喜びを感じずにはいられなくなってしまうのです。

あすなろ荘の限られた食費から、ごちそうが並びました。
特にCさん手作りの煮込みハンバーグは絶品でした!!

残念ながら、私(高橋)は、急なトラブルでクリスマス会には参加出来ませんでしたが、クリスマス会準備会の時間を満喫?させていただきました!

わざわざ足を運んでくれた退寮生に会えずとっても残念でしたが、きっと楽しいクリスマス会になったことでしょう!!

2010/12/20

神さまのこと

昨日は、いつもあすなろ荘を支援してくださっているYさんからのお誘いでH市の教会へ行ってきました。…私はキリスト教徒ではありませんが、「聖書」を学びたい!という思いは昔から持っていました。宗教というくくりではなく(この表現は大雑把すぎますが)純粋にキリストについて神さまについて学びたいと、この仕事に就くようになってからは更に強く感じるようになりました。…
アメリカ人の宣教師Kさんが英語と日本語で丁寧に聖書を読み上げ、そこにこめられた意味を教えてくださりました。
私が今、聖書の教えを元にして、自身で向き合っていきたいと考えるテーマは「暴力」についてです。誰しもが持っている“暴力性”について、人はどう向き合いその“暴力性”をコントロールしていけばいいのか…
暴力は簡単に人を支配します。
私たちが暴力に支配されないために私たちは何を学びどうやって生きるか
キリストは「人間はいとも簡単に暴力に支配されてしまうのだ」という啓示を我々人間に与えるために誕生したのではと考えてしまいます。
何だか壮大な事を書いているようですが、暴力は日常のなかから始まるものだということ、私たち皆が内包しているものだということを、児童虐待の支援の場で痛感しています。
戦争も、差別も、人権侵害も、児童虐待も、いじめも根源にあるものは、たどりつく源は全て一緒ではないかと思います。

神さまはいますか?
昔は、天を仰いで問いかけていました。
でも今は、自分への問いかけへと変わりました。
神さまについて考えることは時に苦しみを伴うことでもあります。
それでも、神に問い、自分に問い、「暴力という現実」に向き合える人間になりたいと思います。



宗教云々ではなく、真剣に、神について、人間について語らう時間が私たち多くの日本人にはあまりに少ないのではないでしょうか

教会での時間は穏やかな幸せに満ちた時間でした。

2010/12/16

高卒認定資格試験の結果のご報告

先月あった高卒認定資格試験の結果をご報告いたします。
今回の受験者は退寮生の3人、在寮生は3人、計6人が受験しました。

退寮生の結果はまだ完全に把握出来ておりませんので後日ご報告させていただきます。

在寮生A君とBさんが見事合格!高認資格を取得いたしました。
C君は残念ながら1教科も単位取得することが出来ませんでした。

A君は今後の進路を焦らずゆっくり考えていくようです。
Bさんは看護学校入学を目指し、どの学校を受験するかこれから検討していきます。
C君は引き続き、学習会に参加し高認資格取得を目指していきます。

学習会は、ただ単に高認資格をとるためのものでなく
これからの自分の未来をどう生きて行くか
どう切り開いていくかに
向き合う機会にもなると思います。

「ただ生きる」しかなかった子どもたちが
「どう生きる」かを自分に問えるために
私たちがしなければならないことは山ほどあります。

A君、Bさん心からおめでとう!!!
そしてC君これからも、君が積み重ねていく努力を一緒に見守らせてください!!!

2010/12/12

モーニングセミナー

自立援助ホームで生活する子どもたちのこと、社会的養護の現状をもっと広く社会に知ってもらうためいろんな場でお話する機会をいただいております
先週は杉並区西倫理法人会でのモーニングセミナーでお話をさせていただきました
朝6時40分、昇る朝陽を眺めながらお話をさせていただくことも初めての経験で、参加者の方もはつらつとした表情で真剣に耳を傾けてくださりました
お話の後は、机を輪にして皆さんと朝食を摂りました
一連の時間は滞りなくあっという間に過ぎていきました
朝の時間をどう過ごすか大切ですね
朝が充実すると一日得したような気持ちになります
朝から思考することで、「今日一日どう生きるか」「はじまりの心がまえ」などの気持が芽生えるような気がします

モーニングセミナーでもたくさんの素晴らしい方々との出会いがありました
この出会いに感謝し大切にしなければと思います

2010/12/03

宿直勤務

昨日は久しぶりにあすなろ荘の宿直勤務にはいりました
最近の私の業務はアフターケアと対外活動がほとんどで、在籍中の寮生たちとゆっくり過ごす機会がなかなか持つことが出来ませんでした

なんというか宿直勤務はこの仕事をやるうえでの原点であることを改めて痛感しました
ひとつ屋根の下で衣食住を共にすることや、空間・時間を共有出来ることの大切さは宿直勤務をしないと得られない体感出来ないことです。頭でわかっているのと、心や体で感じ取るのとは全く違います

寮生たちが無事に今日この1日を終えて、それぞれの部屋に戻り、眠りにつく。
それを見届け、自分も眠りにつけることがこんなに幸せかと思うほど、幸せに感じます。
そして、あすなろ荘で迎える朝の清々しさに包まれていると、新しい今日への希望がひろがっていくようです

もちろん寮生たち皆が希望に満ち満ちているわけではありません。
今日という日が始まることに大きな不安や不満を感じている子の方が多いかもしれません

それでもあすなろ荘での生活が寮生たちにとって、少しでも安心出来る場所であるための空間作りをしていきたいと思います

ここで過ごし積み重ねてていく、いくつかの夜が
寮生の、私たちスタッフのかけがえのない糧になるように

2010/11/30

「ポルノ被害と子どもの貧困」シンポジウムに参加しました

11/28立教大学で開催された「ポルノ被害と子どもの貧困」シンポジウムのパネルディスカッションにパネリストとして参加させていただきました

私は子どもたちの支援に携わる者として、声をあげることの出来ない子どもたちの代弁する役割を担い発言をさせていただきました。
子どもたちに変わって十分な訴えになっていたか、反省する点は多々ありますが、なかなか社会に知ってもらうことの出来ない、性虐待・性被害の現状を知ってもらえる機会がいただけたことにまずは感謝の思いでいます。
現場で常々思っているのは、児童ポルノひいては、児童虐待・子どもの貧困の問題は、社会が社会の問題だと認め、私たち大人一人一人がその社会を作っている一員であるところからの認知と責任がなければ、根本的改善には繋がりません。
買う奴が悪い、作る奴が悪いと言っているだけでは、被害を受けている子どもたちは全く救われませんし、救われていません。

社会の土壌そのものを変えていくって、予測もつかない大変な大変なことだけれど、やらないことには変わらないし現状は悪くなっていく一方です。

こういったシンポジウムをとおして、いろんな立場の方と繋がり、知識を得て、自分のすべきことにもっともっと取り組んでいかないとと思っています。この踏み出した一歩を大切にして!!

シンポジウムの様子です↓
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20101129/k10015507581000.html

2010/11/21

「あすなろ基金説明会」

本日、社会福祉法人子供の家にて、あすなろ荘が昨年度設立いたしました「あすなろ基金」の説明会を開催いたしました。
日頃からあすなろ荘を支援してくださっている方々より30名ほどの参加者がありました。
説明会前半では、今年度あすなろ荘から専門学校に進学した2名の寮生の近況・収支報告、就学支援活動の現況等をあすなろ荘スタッフよりお伝えし、後半は高卒認定学習会「あすなろ学舍」の講師である行方正太郎先生より基調講演をしていただきました。
参加者の方からは、今後「あすなろ基金」が現実に稼働し続けるためのご意見やご提案をいただくことが出来ました。

経済的支援のみならず、支援してくださる方々とのネットワークと信頼関係こそが、あすなろ荘の財産であると改めて感じずにはいられませんでした。

私たちが持っていない、資源、スキル、ネットワークを支援者の方に提供していただくことで、子どもたちへの支援は厚みを増し、より重層的なものになるのだと思います。

現実は目の前にいる子どもたちへの支援でいっぱいいっぱいの毎日ですが、この繋がりを深め広めることも私たちに課せられた使命。

福祉的視点から一歩離れて、より多角的な視点と取り組みをあすなろ荘の支援に取り入れていきたいです。

参加者の皆様に心からのお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

2010/11/19

ルワンダ ジュノサイドから生まれて

昨日の毎日新聞の夕刊に「ルワンダ ジュノサイドから生まれて」(赤々舎刊)についての記事が掲載されていました。この本は、94年中央アフリカのルワンダで起こった民族間紛争により100日間で約80万人もの人々が殺され、大虐殺のなかで行われた性的暴力を受けて子どもを産み育てた女性たちの言葉と写真をまとめたものです。
私もまだ実際に読んではいませんが、新聞に掲載されていた数点の写真を目にしただけで、息が止まりそうでした。写真に映った母と子の瞳から目を反らせたくても反らすことが出来ませんでした。
訳者の竹内万里子さんの「他者の痛みをわかると思い上がるのではなく、わからないと承知しつつ他者を見つめその声に耳を傾け続けることしか私たちには出来ない」という言葉に深い共感と感銘を受けました。

どんな理由からであっても そこにある 産まれた 目の前にある命を  私は尊べることが出来るのだろうか

正直、「出来る!」とはいいきれない自分がいます
それでも「どんな命も尊べる人間になりたい」と心の底から思います


絶対に起きてはならない起こしてはならない暴力から
目を反らさず、何を知り、何を学ぶか、自分の人生にどうつなぎ、どう生きるか
その責任を持つ覚悟を持って
この本を読みたいと思います

2010/11/18

高卒認定資格受験のご報告

大変長い間ブログが更新出来ず申し訳ありません
日々更新していかないと、ブログの意味がありませんよね

まずは週1ペースでも更新することを目指して!

11/13・14に高卒認定資格の試験がありました
今期はあすなろ学舍(あすなろ荘の高卒認定資格取得学習会)から5名受験しました
5名のうち、3名が在寮生、2名が退寮生です
受験者の年齢は16歳から26歳まで、受験科目数も2科目から8科目と
皆それぞれ違いますが、高認を取得して次のステップへ!という思いは一緒です

「受かるか受からないか」の前に、まずは「学ぶことに向き合えるかどうか」からのスタートしている子どもたちばかりです
学びのスタートラインに立てなかったのは、立てない背景がどの子にもあったからです
その背景は家庭環境や社会によって背負わされた背景です

それでも、それでも自らの人生を切り開いていくのは自分自身でしか出来ないことです

私たちには、彼らの代わりに彼らの人生を生きることは出来ません

だからこそ、私たちに出来るほんのささやかな支援を誠実に必死に全力でやっていくしかないと思っています

学習会は引き続き開催していきます!!

2010/09/03

高卒認定資格取得学習会

「ゆずりは」では毎週火曜日19時〜21時、児童養護施設子供の家(自立援助ホームあすなろ荘の運営母体です)で高卒認定資格取得のための学習会を開催しています。
高認資格取得のための学習会自体は、2年前から実施していましたが、この7月から新たな体制でスタートしました。
講師として来てくださっているのは、2年前の学習会からお世話になっている行方正太郎さんです。行方さんは高卒認定資格講師の第一人者の方で、今まで引きこもりや不登校の方の高認資格取得支援で多くの実績を残していらっしゃる方です。
自立援助ホームに来る多くの子どもたちは、中卒•高校中退という学歴のまま入所し退所します。今や高卒はあたりまえという時代のなかで、子どもたちが背負わされてた「低学歴」という不利益を一生ついてまわります。
家庭の後ろ盾なない子どもたちこそ、学歴や資格の取得をすることは生きていくために必須であることは言うまでもありません。
私たちはこのような就学支援もアフターケア支援に欠かすことの出来ない支援だと位置づけています。
この学習会はあすなろ荘の退所者のみに特化せず、児童福祉施設退所者全ての方に門戸を開いています。
ご興味のある方はあすなろ荘までお問い合わせください


〜学習会の詳細〜


参加対象 児童養護施設•自立援助ホーム在籍者•出身者の方ならどなたでも
    (年齢制限はありません)
講師   行方正太郎氏(蛍雪義塾•再起クラブジュニア主宰)
開催日時 毎週火曜日 19時〜21時開催
開催場所 社会福祉法人子供の家事務棟(あすなろ荘の隣です)
その他  学習会参加費用は無料です
     学習会参加の方の高認受験料はあすなろ基金より全額支給いたし     ます(別途規約あります)

2010/09/01

自立援助ホームあすなろ荘のアフターケア事業「ゆずりは」

自立援助ホームあすなろ荘ではアフターケア事業部「ゆずりは」を開設いたしました。
とはいっても、公的資金は全くない状況、スタッフの数も現状のままでのスタートです。

あすなろ荘は開設して今年で23年目。退所者は130名にも及びます。
入所中と同様に、またはそれ以上に、退所後の支援(アフターケア)が必要とされるなか、資金不足•人手不足を理由に十分な支援を私たちは提供することが出来ませんでした。
実際に今もその状況であることは変わりありません。

本当に支援を必要としている退所者を目の前にして、“あれがないこれがない”と言い訳するのではなく、“あれがないこれがない”という状況を変えていくために、今私たちが具体的に出来ることを実践していくために取り組めることをやっていくしかないという強い気持ちで、第一歩を踏み出しました。

どんな家庭環境に生まれても、子どもたちに保障されるべきことは全て一緒です。
頼る家庭がない子どもたちを、社会が代わって支え、支援していくことは、当然の責務です。

「社会の子ども」という視点を基軸にして、子どもたちが生きていくために、本当に必要としている支援を提供していきたいと思います。(高橋)